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連載「これからのモビリティを、考えよう」 第3回・ローテクが都会を救う!? サイクルトレーラーの可能性とは
たくさんの荷物や人までも運ぶ! リヤカーの進化形態ともいえる「サイクルトレーラー」が今、静かに、しかし着実に普及しています。サイクルトレーラーの活躍する現状をリポートします。

ローテクノロジーの代表例である自転車。前回のこの連載では、巧みにハイテクを導入することで都市コミューターとして自転車を活用する事例を紹介しましたが、今回は自転車で牽引する「サイクルトレーラー」に注目します。自転車とサイクルトレーラーという「ローテク×ローテク」の相乗効果は、ある時は100kg近い荷物を運び、またある時は子供を安全に送迎するなど大活躍! 自転車の活躍の幅を広げるサイクルトレーラーの可能性を探ります。
【取材協力】
ヤマト運輸株式会社
有限会社リノ・コネクション
エコで安全な「新スリーター」は現場から誕生
ヤマト運輸が導入を進める「新スリーター」。小回りが効き、しかもエコで安全な集配手段だ
【写真提供】ヤマト運輸株式会社
サイクルトレーラーの大きな特徴は、自転車単独と比べて多くの荷物を運べること。ヤマト運輸では2006年から「新スリーター」として導入を進め、電動アシスト自転車とリヤカー(サイクルトレーラー)を組み合わせて、都市部や住宅街での集配を行っています。
これまでに導入された新スリーターは、合計で約1700台。平均で1日100軒程度、距離にして30~40kmを集配して回ります。ムラマツ車輌製のリヤカーは最大で150kgまで積載が可能で、平均で80kg前後の荷物を積んで走るとのことです。
ヤマト運輸株式会社
業務改革部 業務改革課 係長
熱海 圭一郎氏
同社業務改革部の熱海(あつみ)圭一郎氏は、導入のメリットをこう語ります。
「一つには集配の効率が上がったことが挙げられます。クルマでの集配だと、乗車-走行-停車-荷卸という、ストップ・アンド・ゴーのサイクルでどうしても時間がかかってしまうのですが、新スリーターの場合、乗降や運転が非常に簡単ですし、すぐに荷物を取り出せるので、一連の動作がスピーディーに行えます。そしてもう一つのメリットは、運転者の心理的負担を大幅に減らせたこと。クルマでは常に事故の危険がつきまといますし、集配の際の駐車場所にも非常に気を使わなければいけない。新スリーターも軽車両ですが、クルマと比較して非常に安全運転しやすいのが大きなメリットですね」
宅急便の集配車輌には、子供に対して「あぶないからくるまの下にはいらないで!」という内容の警告が表示してありますが、なるほど、新スリーターならその心配もいりません。
新スリーターは都市部や住宅地などを担当。
都心などのビジネス街などでは手押し台車、郊外や地方ではクルマが活躍する
【写真提供】ヤマト運輸株式会社
新スリーター誕生の発端は、「道路が狭くて車輌が入りにくい地域での集配を何とかしたい」という現場の声。練馬区内の営業所で実験的に導入したところ、大変効果的であることが分かり、全国の現場で導入されつつあります。
また熱海氏によれば、新スリーターはクルマと違い運転者が露出しており、歩行者と同じ目線で走行することによって「お客様から声をかけられることが多くなった」とも。個人顧客への営業がしやすくなるという、うれしい副次効果も生まれたそうです。
業務効率の向上や交通安全、そして地球温暖化防止への貢献を実現するため、クルマだけに依存しない集配形態を模索する同社にとって、新スリーターは欠かせない存在となっています。






