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エンジニア・ロゴス 第4回「パンデミックの語源」

言葉自体も感染・浸透しつつあるこの「パンデミック」という言葉は、今後も慢性的 に定着するのか、風邪が完治してしまう如く急に聞かなくなってしまうことやら……。

 

新型インフルエンザに関する報道や映画『感染列島』などで一緒に出てくる「パンデミック」の語源について調べてみました。

英語のパンデミック(pandemic)は「大流行」「全国的・世界的流行病」「感染爆発」などで訳されますが、panとdemicに分かれます。
 

pan(パーン)はギリシア語で「全ての」を意味します。
古代ギリシアの哲学者であるヘラクレイトスに「万物は流転する」という格言がありますが、ギリシア語では“panta rhei”(パンタ・レイ)となり、pantaはpanの名詞形で「全てのもの」「万物」となります。

demicはギリシア語で「民衆」「人々」を意味するdemos(デーモス)から来ています。
英語のデモクラシー(democracy)は、このdemos(民衆)と、「支配」の意のkratos(クラトス)とが合わさって、「民主主義」と訳されています。
epidemic(エピデミック)という英単語も、「~の間に」「~の上に」のepi(エピ)とdemosとで「人々の間」で、「流行病」といった意味になります。

以上から、パンデミックは「全ての人々」が元々の意味で、全員に感染してしまうほど大流行している、猛威を振るっているということになります。

ところで、世界史で19世紀にパン・アメリカ会議が開催されたという出来事がありました。
これはアメリカ大陸の諸国間で開催される国際会議で、パン・アメリカのパン(Pan)は「全てのアメリカ」ということでパンデミックと同じ語です。
また、汎アメリカ会議や汎米会議と表記されたり、哲学分野で汎神論(pantheism)や汎心論(panpsychism)という言葉があるなど、「パン○○」の用語のパンが汎で使われるケースが散見されます。
パンデミックが「汎発性」と訳される場合があるのもこういった慣例を踏まえてのことなのでしょう。

IT業界では汎用性など汎の字が使われますが、「汎用機」はmainframe(メインフレーム)、「汎用の」はgeneral-purposeが使われています。

「汎」の字は、さんずい(水)に、右の凡(帆の意味)とが合わさっているので、海上に漂う船の如く、万物流転も連想させる漢字です。

ギリシアのペロポネソス半島やアメリカ大陸から日本のお台場へ船で移動するほど話が飛びますが、フジテレビ系で『カトパン』という深夜番組が現在放送されています。
この番組シリーズは千野志麻アナ(現在フリー)の『チノパン』でスタートして、高島彩アナの『アヤパン』、生野陽子アナの『ショーパン』、加藤綾子アナの『カトパン』と引き継がれていますが、番組名が「○○パン」に女子アナの名前が冠されているので、「全ての人々(女子アナ)」という意味ではまさにパンデミックの原義に即応した命名法です。

このシリーズを全て漢字で検討してみると、「千野汎」、「彩汎」、「生汎」、「加藤汎」、期間限定で「茂木汎」といったところでしょうか。

ちなみに、ズボンのチノパンは和製英語で“chino pants”となります。
chinoの意味は「綾織り綿布」で、「中国」のChina(チャイナ)と語源的につながりがあります。

pantsは、『仮面ノリダー』でお馴染みのパンタロン(pantaloon)が短縮・複数形となった語です。
このpantaloonを更に遡るとイタリア語のPantalone(パンタローネ)で、これはイタリアの演劇『コメディア・デラルテ』に登場してきたヴェニスの商人になります。

このPantaloneの語源がギリシア語のpanteleemon(パンテレエーモーン)で「全てに哀れみ深い」という意味になり、語頭のpantは「全て」でパンデミックのパンと共通しています。

パンデミック(医療)とチノパン(衣料)は、実はパンつながりで同じ「兄弟」だった…。
韓流ドラマちっくな展開ではありますが、言葉も時代や地域を超えて「大流行」しているということなのでしょう。

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