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ヘッドマウントディスプレイ、再来。ニコン『UP(ユーピー)』の実力
12月中旬より発売が始まるニコン『UP(ユーピー)』は、ヘッドマウントディスプレイ型の新しい電子デバイスだ。なぜ今、ヘッドマウントディスプレイなのか? 開発者に話を聞いた。

意外と渋いデザインの『UP』。クラシックな雰囲気すら漂う
正直、なんで今さら? と思った。小型ディスプレイをゴーグルやメガネのようにかけて、映像コンテンツやPCのインターフェースとする“ヘッドマウントディスプレイ”(以下HMD)が流行ったのは10年ほど前である。90年代の終わりから00年代の最初の数年間、2m先に62インチの大画面が売りだったオリンパス光学『Eye-Trek (アイトレック)』やプレイステーションと連携したソニーの『グラストロン』が発売され、それなりに盛り上がったものだ。ところが気がつけばいつしかどれも姿を消し、今では海外製品がいくらか輸入されている程度と寂しい限り。
なぜHMDは市場から消えてしまったのか? 理由は単純。目が疲れる上に画質がひどく、それに当時のゴーグル型HMDはアイマスクのように両目を覆ってしまったのでHMDをかけてしまうと画面を見る以外、何もできない。ジュースを飲むにもひと苦労で、ようは使いにくかったのだ。なのになぜ? 開発したニコンの加藤茂さんに話を聞いた。
ハンズフリーの“ながら”デバイス
加藤茂
映像カンパニー マーケティング本部
第一メーケティング部 主幹
工学部電気工学科卒。AV機器メーカーに入社
86年にニコンへ転職。
赤外線カメラの開発や半導体露光装置の技術を担当、
02年からUP開発のプロジェクトリーダーとなる
ニコン『UP300』『UP300x』はヘッドフォンに超小型モニタとWi-Fi通信機能が組み込まれたHMDで、かつてのHMDとはずいぶん印象が違う。昔のHMDがゴーグル型ならUPはヘッドセット型だ。マイクの代わりにぐりぐりと回る0.44型の超小型液晶モニタを口もとではなく目もとにセットし、覗きこむ。加藤茂氏はUPと以前のHMDは別物だと強調した。
「UPを発表してから、昔、HMDというのがあったとよく言われます。しかし当時のHMDは両目で見るもので、家の中で大画面テレビの代わりに使うものだったんですね。UPは家の中で使うシーンを考えていたわけじゃなくて、モバイルでどう使うかを考えていました。スタート地点が違うんですよ。HMDでまとめられても、基本的に立ち位置が違います」
ゴーグル型だと着けてしまうと何もできないが、UPは片方の目が空いているので映像を流しながら別の作業ができる。お茶を飲むのに周りを手探りする苦労はない。HMDとiPodを合体させたようなイメージか。



