ホーム > 仕事力を鍛える > IT・SI業界 人脈構築戦略ガイド 第2回「職場の人たちとの付き合い方」

仕事力を鍛える

IT・SI業界 人脈構築戦略ガイド 第2回「職場の人たちとの付き合い方」

人脈と聞くと、真っ先に思い浮かべるのは社外とのつながり。でも、最大・最強の人脈は「社内人脈」にある。何気ない毎日の同僚との付き合いこそが人脈の基礎となるのだ。そのコツをガイドする。

この記事の評価
  • 54321

第1回の冒頭で、「ITエンジニア」の方々にとって人脈はなくてはならないもの(あるともっと幸せになれる可能性がある)であると説きました。

人脈形成術と聞くと、「ビルゲイツやGoogle創始者のような超有名人と仲良くなりたいと」仰る方がたくさんいます。確かに、誰しもが有名人と仲良くなりたいものですよね。私も恥ずかしながらその一人です。

しかし、ちょっと待って下さい……。少し考えてみましょう。人脈形成術を身につけてより良い人脈を築き上げることは確かに素晴らしいことですが、その前にあたな自身の身近な「人間関係」は上手くいっているでしょうか?人脈形成術を学ぶ前に、最もスケールの小さいかつ身近な「職場の人間関係」をまずは見直してみませんか?

ここでしっかりと、「人間関係の重要性」・人と関わることの「難しさ」や「素晴らしさ」を学んだ後、次の回で実践的な人脈形成のノウハウについて説明したいと思います。

なぜ職場の人間関係が重要な人脈といえるのか?

【図1】知人の年齢別推移イメージ

 図は、年齢を重ねることによって、知り合いの数が単純に増えている様子を図示したものです。人によっては様々な曲線を描いていくとは思いますが、感覚的には年齢を重ねれば重ねるほど、あたなに関わってくる人間の数が増えていくことは予想できるはずです。子どもから大人そして、社会人になるということは、それだけ、社会とのつながりが大きくなるということでもあるのです。この曲線の描き方が人それぞれ違うのは、あなた自身の「行動特性」が大きく影響していると私は思います。毎月にように結婚式に呼ばれるような人がいますよね?おそらく、それだけ友達作りの上手い人間関係構築のプロフェッショナルなのかもしれません。

人は、年齢を重ねることによって、「社交性」を身につけていきます。きちんとした社交性を身につけることによって、集団の中で協調して生きていくことができます。その社交性の真価が問われるのが、身近な例で言えば、先程実例として挙げた職場の人間関係の他に、中学高校のクラス・体育会系の部活動などがあります。新卒採用において、体育会系出身者(特に野球部やラグビー部のような集団競技)が優遇されるのは、チームという組織の中で自分の役割を見つける術を身につけているからに他ありません。

良好な人間関係を構築するスキルがあれば、人生はもっと楽しくなる。また、さらなる高次な人脈形成を築く上でも重要な基礎と成り得る。


では、この社交性が「ある人」と「ない人」とで、何か大きな違いはあるのでしょうか?

図2は、人間関係構築のスキルが「上手い人(正のスパイラル)」と「下手な人(負のスパイラル)」とで、仕事に及ぼす影響の違いを示したものです。

【図2】人脈「正のスパイラルvs負のスパイラル」

 人間関係が悪い場合は、当然の如く精神的負荷が増加します。まさにストレスです。そして、仕事はチームでやるわけですから、仕事そのものの進捗もうまくいくわけがありません。言うまでもなく、大した成果は望めないでしょう。成果が出せないという事は、周囲からの期待は減り、場合によっては疎まれる可能性もあります。そして、さらに人間関係が悪化するという「負のスパイラル」が生じる可能性があります。

次に、人間関係が良い人の場合を見ていきましょう。人間関係が良好であると、仕事そのものの悩み(物理的付加)はさておき、人が介在することによる悩みは少なそうです。無論、人間関係が良好であれば、チーム作業もうまく機能していくので仕事はどんどん楽しくなるでしょう。また、困ったことを助けてくれる職場仲間もたくさんいることでしょう。そして、チームが上手く機能することによって、より大きな成果が生まれます。仕事ができれば、もちろん周囲から期待されますしあなたは頼られる存在として認知されることでしょう。このようにして、さらに人間関係が良好になる「正のスパイラル」が生じます。

そう言えば、学生時代を思い出してみると、友達作りが上手い人(友達が多い人)は、人生そのものが楽しそうでしたよね。人間関係を良好にしようと努力するたけで、仕事そのものがチョットだけ楽しくなりそうですね。
では、職場の人間関係を少しでも良くし、ストレスのない職場にするためにはどうすればよいでしょうか?私なりに簡単にまとめてみました。

職場の人間関係をより良くするためのコツ

■「挨拶」はビジネスマナーのキホン!

なんだ挨拶か、と思われるかもしれませんが、良好な人間関係を構築する上で挨拶は「労力 対 効果が非常に高い」のでオススメなのです。さらに、自分の職場での人間関係が悪化することを予防する「保険」としても機能します。 なかでも、日頃から仕事で付き合う人より、あまり自分の業務で接する機会の少ない人にこそ、挨拶の効果は大きくなります。
なぜなら大人数が行き交う会社で勤めるとなると、「その日、その人とは、挨拶だけが唯一のコミュニケーションだった」という日が意外に多いからです。自分の仕事の成果や人となりなど、細かに見てくれるほど周囲の人はヒマでも物好きでもないのです。つまり、挨拶したときの印象(あるいは挨拶せずに無言で通り過ぎたときの印象)だけで、自分の全人格が判断されてしまいかねないのです。

特に悪気がなくても、照れくさいからとか、付き合いが浅いから挨拶するのも不自然だ、などという自分の判断で挨拶をせずに過ごすと何が起こるか。
まず、自分が高い実績を挙げたときに「ああ、あの愛想の悪い奴か。フーン」と、せっかくの高い実績を過小評価される恐れがあります。もっといえば、挨拶をしてもらえなかったことを密かに根に持つタイプの人の場合、躍起になってその実績を打ち消そうとすることもあります。つまり、実績を評価してもらいにくい土壌が形成されてしまうのです。

さらに、自分がもし仕事で失敗したり、悪い噂が立ったとき、日頃から挨拶をしておけば「そんな酷い人には見えないけど」「何かの間違いじゃないの?」と思う人が現れて噂の抑止力として働くのですが、それがないと噂は一瞬で増幅されて広まり、歯止めがきかなくなります。場合によっては会社に居られないほどの悪影響を及ぼす危険さえあります。

朝、出社したときの「おはようございます」、帰社時の「お疲れ様でした」。少なくともこの一言がちゃんと言えているか否かであなたに対する周囲の印象は相当変わると思います。相手から言われたら返すのではなく、自分から率先して挨拶をするように心がけましょう。これは、社会人としてのマナー以上に、自分の人脈の成否を決める最重要項目とさえいえるものなのです。

■“ソリ”の合わない職場仲間との付き合い方

  人間関係は非常に難しいものです。生まれた場所も違えば、育った環境も、食べる物も、好きな女性のタイプもひとそれぞれ違います。20年以上も生きていれば、絶対に自分の性格を合わない人に合ってきたはずです。学生であれば、「あいつはウザイから、マイミク切ったよ」で簡単に済まされるかもしれませんが、社会人はそうはいきません。どんなに苦手な人がいようとも職場の中で、協調して仕事をしていかなければいけません。ゆえに、職場特有の人間関係のストレスが生じるわけですが。では、この苦手な人と上手く付き合っていくためにはどうしたらよいでしょうか?

一番いいやり方は、思い切って相手の考え方を強引に許容してしまうことです。分かりやすく説明すると、「世の中には多様な価値観や考え方があるんだな~と一歩距離を置いて考えること」です。

いちいち自分の価値観を軸にして相手の価値観にジグソーパズルのようにあてはめようとするから、「なんでこのパズルは入らないんだ!」とイライラしてしまうのです。入らなかったら入らなかったで、「そういうピースもあるよね」と柔軟かつ冷静に対応することが必要です。特に、業務の成果に直接結びつかない、あくまで個人的な思想や価値観の違いならなおさらです。

というのも、人脈には、目的があるからです。自分と気の合う友達グループを作って嫌な人を排除するのが人脈の目的でしょうか? 違いますよね。自分のキャリアの可能性を広げたい・大きな実績を生み出すことを目的に、まず職場で自分の仕事をやりやすくするためですよね。であれば、人のことは性格やその人の持つ価値観ではなく「人脈としてメリットがあるかどうか」で判断すべきです。つまり、その人がどれだけ会社の業務にコミットしていて、自分との交流を持ったときにシナジー効果を発揮できるかを第一に判断すべきなのです。そのうえで人脈として価値があるという場合、ソリが合うかどうかは二の次になりますし、ソリが合わないなりに自分が妥協したり相手に合わせる労力が発生しても「モトをとって余りある効果が見込める」と思えば苦にはなりません。
もし、人脈として有用でないと判断したら、お互いが傷つかないように上手に距離をとりつつ、波風の立たない状態をキープすればいいだけです。人脈として有用でないからといって喧嘩したり対立すると、余計な敵を増やすだけになり自分にとってのメリットが何もありません。

くれぐれも、相手の価値観に相反するからといって、個人的な感情で喧嘩するのは得策ではないことを心に留めておきましょう。

同期は、大切な仲間でありライバルでありたい

 同じ職場の仲間と築く人脈のなかでも、「同期入社の同僚たち」は特別な存在です。
というのも、会社のなかで「非・会社員としての、パーソナルな自分をさらけ出すことがある程度、認められやすい」関係といえるからです。
会社で嫌なこととか、悩みがあった時に気兼ねなく同期に相談できるメリットは非常に大きいと思います。さすがに仕事で嫌な事があったとしても、上司に軽々しく相談はできませんよね? 同期は、まさに精神的な支えとなり得る貴重な存在なのです。また、仕事を覚えるスタートラインが同じということで、良い意味でライバル関係になれることも魅力的です。ですので、同期とは一生付き合える関係にしておきましょう。同期と仲良くなるコツですが、ポイントは、新人研修中に親睦を深めておくということ。新人研修が終わってからは、配属による異動や業務の忙しさなどによって会える機会が激減するからです。特にお勧めしたいがの同期との飲ミニケーションです。よく、日本独特の飲ミニケーションンは、金と時間の浪費ばかりであまり意味がないとよく聞きますが、同期との飲み会は別格です。思う存分、会社の悩みやプライベートの悩みをぶちまけましょう。

職場の人間関係で悩む理由の一つは、“素”の自分を押し殺しているから

 朝6時に起きて、憂鬱になりながら満員電車に揺られ、上司や客に怒鳴られ、気づいたら夜9時過ぎに会社を出て、再び満員電車に揺られ、飯食って風呂入って12時過ぎに寝る。サラリーマン生活は、客観的に見るととけっこう辛いですよね。仕事が楽しいのであれば救いですが、仕事は本来そこまで楽しいものではありません。ましてや職場の人間関係までもが、微妙だったら……。想像しただけでも憂鬱な気分になってしまいます。ですがこのストレスを少しでも軽減する方法があります。それは「自分らしさ」を職場に持ち込むことです。抽象的すぎて分かりづらいですよね。具体的に説明しましょう。なにも仕事をしているからといって、超真面目な社会人を演じる必要なないと私は思います。もっと自分の趣味や生きがいを、業務や周囲の人間関係に支障をきたさない程度に持ち込んでもよいのではないでしょうか。酒が好きだったら、率先して飲み会の「幹事」の役割を引き受けるとか。野球が好きだったら、社内で仲間を募って野球サークルを創設してチームをつくってしまうとか。あとこれは私の身近な例ですが、音楽好きの同期をかき集めて、バンドをつくったりしている人もいましたね。人生なんてたった一度しかないのですから、楽しまなかったら絶対損です。「行動力」と「好奇心」さえあれば、意外とつまらない仕事も楽しくなるものです。

ただし、ここでもポイントがあります。自分らしさを職場に持ち込むといっても、強引に自分を主張して周囲の反感を買ったり業務に支障をきたすと上司から思われては元も子もありません。
重要なのは、業務中の付き合いに悪影響を与えないように、職場の同僚と「仕事以外での繋がり・絆」を築くことなのです。
ただ同じ会社で、仕事上で絡むから接触を持たなければいけないと思いながら職場の人と接するか。
それとも、同じ趣味を共有する仲間としての親近感を持ちながら接するか。趣味で話が合うことを直接、業務に持ち込むのは禁物ですが、単純に仕事中に人と接する機会が楽しいものになるのは想像に難くないでしょう。

俺は社会人だから上司に嫌われたくないからといって、“素”の自分を押し殺すのはやめましょう。ちなみに私は、それをうまくできるようになってからは仕事が楽しくて仕方がないと思えるようになりました。今は社会人2年目ですが、「仕事」をしにいくではなく、「人生を楽しむための手段」「人と会う機会を通じて人生の勉強をしにいく」といった感覚で会社にいきます。いつも新しいことをしてみたいという思いで頭がいっぱいです。心の持ち方一つで考え方は変わるものです。

くれぐれも人脈を社外の人ばかりに頼り、「自分が社内で浮いていることをごまかすための口実」にするといったネガティブなものとして形成してほしくはありません。まずは職場の人との人脈をガッチリ形成すること。
社外人脈を築く前に、ここをしっかり固めるつもりで毎日、職場の人と接するように心がけてはいかがでしょうか。

筆者プロフィール

神前悠太

1982年生まれ。16歳の頃から、「大学受験・大学院受験・就職・転職・人材育成」などの問題を趣味で研究。誰もやったことのないような新しいことに挑戦することが好きです。2008年12月16日に光文社より「学歴ロンダリング」を発売しました。

@type 市場価値診断 あなたの市場価値がその場でわかる!


エンジニアtype - エンジニアのシゴト人生を考えるWebマガジン


typeのIT派遣 - ITエンジニア・技術者専門の人材派遣サイト


ページトップへ