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エンジニア・ロゴス 第1回「円周率はなぜギリシア文字のπ(パイ)なのか」

小学校の算数の時間に出会って以来、誰もが当たり前のように接してきた円周率、π(パイ)。だが、その語源を考えたこと、ありますか? 考えてもまぁ、べつにアレですけど……。

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πって「p」のご先祖様なんですかね

 円周率とは、円の周りの長さは直径の何倍なのか、その倍率のことです。
一般的にギリシア文字のπ(パイ)で表記されます。

π=3.1415………………………………………………

円周率は「555555555…」や「123123123…」のような規則性がなく無限に続きます。
πは英語のアルファベットでpに対応しています。

「円周」の意味を表す英語にperimeterやperipheryがあります。

peripheryは英語で「周囲」「末梢」「周辺装置」の意味もあり、periとpheryに分解されます。
それぞれギリシア語の語源で、periは「周りに」「周縁に」、pheryは「運ぶ」「動く」の意味となり、まとめると「周りに動く」といったニュアンスです。

perimeterのほうは英語で「平面図形の周囲」「周囲の長さ」という意味もありますが、こちらもperiとmeterに分かれます。
meterは英語で「メートル」の意味にもなりますが、ギリシア語の語源では「尺度」「長さ」を意味します。
以上からperimeterは元々の意味が「周りの長さ」となります。

両方とも先頭は共通するギリシア語で「周りに」を意味するperiが共通しています。
円周率の考え方自体は、アルキメデスがいた古代ギリシア時代から脈々とあったので、円周率の直接的な由来が現在のperimeterかperiphery のいずれかの系列語であったとしても、periでは共通しているため、このperi(ギリシア語の表記でπερι)の先頭のpから円周率がπとなったとは少なくとも言えそうです。

以下は特にperiをフォーカスしてみます。

・ペリオイコイ
古代ギリシア時代に存在した「完全市民以外の自由人」または「スパルタの劣格市民」のことです。高校の世界史の教科書に出てきます。
スペルはperioikoiで「周辺に住む者」を意味します。

periは「周り」で、oikoiは「家」「住むこと」を意味するoikos(オイコス)から由来して、現在では、「経済」「節約」のeconomy、「エコロジー」「生態学」のecologyといった英語の語源となっています。

・潜水艦の潜望鏡
今年の9月に高知県沖に国籍不明な潜水艦の潜望鏡を海上自衛隊が発見したというニュースがありました。

潜水艦の潜望鏡は「ペリスコープ」とも呼ばれます。英語のスペルはperiscopeです。
scopeもギリシア語の起源で「見張り」や「見張り役」を意味するskopos(スコポス)から来ています。
英語のtelescopeだと「望遠鏡」の意味になり、語源的には「遠くの見張り」(teleは「遠くに」の意)、periscopeが「周りの見張り」となるので対照的です。

仕事も、企業経営も、節約術も、経済対策も、円周の如く360度にわたって横断的に見渡せるperiscopeな能力と、円周率の桁数を底なしで追究しようとするtelescopeな能力の両方が必要なのものなのかとπの概念から考えさせられるところです。

ちなみに、πの記号は、イギリスの数学者であるW.ジョーンズ(1675~1749年)が1700年代初頭の著作で最初に使用して、スイス生まれの数学者であるオイラー(1707~1783年)が用いたことで本格的に使われるようになったとされています。
 

今年はイギリスのスピード社製の水着が国境を越えて話題となりましたが、円周率のπも、発祥がイギリスであるならば、これまた日本のみならず全世界に影響を与えた「英国製」ということになりそうですね。

筆者プロフィール

福島明彦

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