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オモコロ編集長が語る「Webクリエイターの頭の中」 第2回「残念キャラクターコンテンツの作り方」
今回は、ノートに描いた落書きからキャラクターコンテンツを作りだす方法をお話したいと思います。 ノートに描いた落書きを大事にとっておきましょう。いつかそれがきっと役に立ちます。立たないかもしれません。

どうも、普段は「オモコロ~あたまゆるゆるインターネット~」というWEBマガジンを運営しているシモダと申します。日曜日は海苔で全身を巻いて寿司のフリをしています。
さて、このエンジニアLiveであまりエンジニアではない自分が書かせていただくのは2回目になるのですが、前回は残念コンテンツの作り方第一弾として「他人の残飯をレビューするブログ」をご紹介させていただきました。
そして今回は「残念キャラクターコンテンツの作り方」をご紹介したいと思います。
猫らしきキャラクター「ぺろたん」
オモコロにはたくさんのキャラクターがいます。僕も今までオモコロのコンテンツでいくつかのキャラクターを作ってきましたが、一貫して「可愛くない」「気持ち悪い」「なんかムカつく」というものが生まれてしまいます。 今回は、例として「ぺろたん」という本当にどうしようもないキャラクターをあげさせていただきます。
このキャラクターは、会社の大事な会議中に描いた落書きから生まれました。
副社長がとってもためになるお話をしてくださっている横で、万年平社員の僕はこの目と鼻と口のバランスが非常に悪い猫らしきものを血走った目で描いておりました。ハァハァ言いながら。
(ぺろたんの原画)
会議後に、落書きしたプリントをなぜか捨てられず、紙の上にしれっと腹の立つ顔をしながら居座るこのキャラクターをどうにかしてトップスターにしてあげれないか、そんな風に考えるようになりました。(なれませんでした)
このように、やっちゃいけないときにする落書きが後になって使えるアイデアになる場合もあります。学生の頃、授業中ほど落書きに集中できたと思いますが、そういう感じです。
集中して描いたものでなく、ポストイットや手帳などにさらっと描いたものでもなんか面白かったりもします。それを拾い上げましょう。どんな気持ち悪いやつでも大事に残しておくと後で発展させたりして何かに使えたりするかもしれません。
二度と描けない顔
「一回しか描けない表情」というのがあります。
会議中の落書きから生まれた「ぺろたん」はまさにそれでした。
本気で描いていない落書きだからこそでる適当な線。何の責任も持たなくて良い開放感と投げっ放し感。もう二度と描けないであろう表情をを大事にしたキャラ作りから「ぺろたん」は生まれました。
しかし、コンテンツを運営していくには、キャラクターを描かなくてはなりません。 でも最初に描いた表情以外は使いたくない。そんな思いがあったので、「ぺろたん」のイラスト制作手順をこのようにしました。
1.最初に描いたイラスト(落書き)をスキャン
2.それをイラストレーターでトレースする
3.顔面の部分だけをファイルとして作成
4.そして、体と顔の輪郭だけが描かれたものの上に張り付ける
このような作業を行ない「ぺろたん」を描くことにしました。
これには思わぬ副産物がありました。週刊誌などで連載されているマンガでは、回を重ねるごとにキャラクターがよりかわいく、より洗練されていくことが多いのですが、これによって読者のキャラクターへのハードルがどんどん高まってしまい、結果的に作り手が疲れてしまうことがあります。「ぺろたん」は常に同じ顔なので、一切の期待をもたない、読者にも作者にも優しいキャラクターになりました。
また、作者なのにキャラクターをフリーハンドでは描けないという状態にも陥り、たまに「ぺろたんを描いてください」と読者の方に言われたときに「似たやつ」しか描けず怪訝な表情をされるというオプションがつきました。本物なのに。
作者である自分以外の人にも弄くってもらう
僕のうっかり落書きから生まれた「ぺろたん」は、本来「ぺろたんブログ」というコンテンツの中で登場するだけの猫(のような何か)だったはずなのですが、読者参加型というスタイルで運営したことで、思いがけない方向に転がっていくことになりました。
■自由度の高いキャラクター設定
まず、「ぺろたん」のキャッチコピーを「地元に必ず一匹はいるという」にしました。
1匹より沢山いたほうが、コンテンツ内で矛盾した設定を設けても「複数いるから」という理由で、矛盾が面白さに変わると考えたのです。
この設定が「ご当地ぺろたん」的な展開に繋がっていきました。全国各地の「ぺろたん」が持つキャラクター設定により、コンテンツに拡がりが持てると思いました。
(目撃情報を投稿する ぺろたんコミュニティー)
次に、「mixi」の中でコミュニティーを立て、「あなたの地元にいるぺろたんは?」というお題のもと、大喜利形式で目撃情報を募り、面白いと思ったもの、絵に起こしやすそうなものをブログの運営者がピックアップしていきました。

(ぺろたんブログの画像)
そして、イラスト化した「ご当地ぺろたん」をブログ上にて紹介していきます。
■読者発信、オモコロで味付け
このように「読者参加型」として、読者からキーワードをいただき、そこから膨らませます。
スタッフが実際にイラスト化とキーワードを広げる文章を足すことで、読者の人はオモコロテイストを踏まえながら自分なりの「ぺろたん」を考えてお題に答えることができます。
つまり、最終的な作業の鍵をこちらで行うことで、オモコロなりの味付けを加えたプットアウトができるというわけです。
オモコロのぺろたんブログ → mixi に誘導 → オモコロのぺろたんブログ
これを俗に「他力本願」といいます。
広がる「ぺろたん」ワールド
複数の人がネタとして扱ううちに、「ぺろたん」はひとつのコンテンツに留まらず、あらゆる形で活躍するようになりました。
読者の皆様の投稿ネタをベースにした「ぺろたんブログ」に始まり、 「ぺろたん劇場」というペラペラの紙にぺろたんをプリントしたものを使ってお粗末な寸劇にしたムービーや、 ぺろたんのブログテンプレートが知らぬ間にリリースされていたり、ゲームやブログパーツ、少し前に流行ったセカンドライフなるオンラインゲームなどにも登場し、最終的には日経MJの一面にペロリと登場したこともありました。世も末だなと思いました。
■FLASHで作ったぺろたんの不条理ゲーム
■チープな作品ぺろたん劇場
自分だけでなく、誰かが関わることによって新しい表現に変化していくキャラクターは、制作者本人にとってもどんな成長をするのか予想もできず楽しみなキャラクターになります。キャラクターコンテンツを作ろうとお考えの人は、いろんな人と一緒に一つのキャラクターを育ててみてはいかがでしょうか?
筆者プロフィール
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シモダテツヤ
「オモコロ」という残念なお笑いポータルで編集長をしております。鹿と大仏の街 京都で生まれ育ちました。 ヤドクカエルの体内に含まれる毒をインディアンに売る仕事を担当しており、仲間からの信頼度は常に0をキープしてます。右手がドリル、左手もドリルに改造されているのでタイピングが凄く不便です。 好きなイカは大王イカです。








