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[特集:もしIT業界に女性が増えたら…1/3] 椿奈緒子「OLや大学生がアフター6にPHPを学ぶ!?」

ちょっと先行くパワフルウーマンたちが描く未来予想図。もしIT業界に女性エンジニアがもっと増えたら…

 

2004年に飛び込んだIT業界の中で、多くの新規プロジェクトを中心となって立ち上げてきた椿奈緒子さん。その活躍は組織の枠を超え、ITイベントや各種勉強会の参加だけでなく、自らイベントを精力的に主宰してきた。

最近では自分でもコーディングを行うなど、オールラウンドに活躍する彼女は、今IT業界で最も注目を集める若手女性の一人だ。

「昔から、夢や目標を見つけて、とにかく『進め!』っていうタイプでした

子どものころから自分の決めた道をまっすぐに歩んできた椿さん。少女の時すでに「世界で一旗あげて社会に貢献する」と決めていた。

高校時代は予定通り遊びを謳歌し、大学入学後は、これまた予定通り猛勉強の毎日。開発経済学を肌で感じるため、ブラジルでフィールドワークを兼ねた現地インターンにも参加していた。自分の決めたことは絶対に実行するのが、彼女の強さでもある。

ブラジルのファヴェーラ(スラム街)などを視察するうち「国の経済が持続的に成長するには、青少年の職業教育プログラムが不可欠」といった思いを抱くようにもなった。そして、就職。彼女が選んだのは総合商社だった。

「グローバルなビジネスを作れるようになりたかった。でも若い女性がすぐには活躍しにくい企業カルチャーにもやもやし、2年目後半から転職を考え始めました」

すぐにでもビジネスを自分の手で作り出したかった。だから「事業を若手女性でも立ち上げられる場所」として、IT業界のネット領域に注目。サイバーエージェントに入社した。
 

組織のリソースを最大限に活かし、社内起業する

自分で決めた目標と今の状況を冷静に分析し、そこから逆算して「いつ、何をやるべきか」を決定するという

プライベートブログ『椿ブログ』では、"今"個人的に興味があるものを記す。

「一応『5年で事業責任者になる』という目標を立てました。でも、ビジネスプランの社内コンテスト『ジギョつく』に応募したら、グランプリを受賞しちゃって。入社半年で目標達成しちゃったんです(笑)」

以来、コスメ・サプリ・ダイエットの女性向け有料サンプリング事業、ビジネスポータル事業など、事業責任者のポジションでさまざまなビジネスを作り、推進してきた。そして今は、スマホアプリのレコメンド事業を仕切る立場に。「なぜ起業しないの?」と、内外から頻繁に聞かれるようにもなった。

「まったく考えていないわけではないけれど、起業にはやっぱりリスクが伴います。資金も組織も環境も人との信頼関係も、ゼロから用意しなければいけない。そのために本当にやりたい事を後回しにしなければいけない必要もある。Think Bigにやりたくても、それを実現する環境を自ら整えるのはハードルが高い。でも、サイバーエージェントやECナビのような企業の中で新規サービスをローンチしていく場合はやりたい事=サービス立ち上げに集中できる。それが大きなの理由ですね」

そのかわり、社内、グループ内に限定することなく、常にたくさんの人に会い、交流をしてきた。後に紹介する閑歳孝子さん大山有美さんとも外部の交流会やIT勉強会で出会っている。

社内外にかかわらず、"仲間"を作っていく。それが椿流

「自分が手掛けている事業と関連して...というより『もっと何か面白いことやろうよ』的な気持ちが強いんです。だから、気になるサービス、もしくはプロデューサー、エンジニアやデザイナーがいると、直接会いに行ってブレストしたり、Facebookで意見交換したりします。

TEDx Tokyoみたなイベントに行けば、いろんな業界のスゴい人が多いのでとても刺激になりますね。魅力的な人がいたらすぐにつながる、これを常に意識しています」

彼女のこの考え方には、「会社員」という感覚はない。IT業界で活躍する人全てが、同じ志を持つ仲間なのだ。

女子高生やOLが、英語を勉強するのと同じようにプログラミング言語を学んだらいいんです。そのためにも、「言語=楽しい、かわいい」みたいなイメージが必要

女子高生やOLが、英語を勉強するのと同じようにプログラミング言語を学んだらいいんです。そのためにも、「言語=楽しい、かわいい」みたいなイメージが必要

「ただ、みんな忙しくしているから、まだそういう輪の中から新事業が実現したりはしていません。それがちょっと残念ではあります」

一方、例えばPHPなどは独学である程度触れるようになった。簡単なプロトタイプ版なら、ほぼ自分だけで作れてしまうほどに。

「プログラミング言語を学ぶ事、そんなに難しくないですよ。英語を話せるようになるための勉強と比べたら、俄然楽にできちゃう。わたし、モットーは『Happy!』なんです。仕事も楽しくなきゃイヤ。仕事も楽しみながらやりたいから、エンジニアに100%依存する形ではなくてある程度私が自分で実現方法イメージを持った上で絵を作って、『こういうのをやろうと思っている』と伝えられたら、断然話も早いし」

最近のキーワードはDemo or Die。MIT(マサチューセッツ工科大学)のメディアラボで有名になった言葉だ。

「研究して論文を書くだけじゃなく、デモまで作らないとクビになっちゃうよ......というような考え方です。これって、これからのプロジェクト・オーナーにも当てはまると思うんです。作り手だけで作るんじゃなく、チーム全体がDemo or Dieの意識で最高・最速化プロダクトのリリースに向けて直接プロセスに関わっていくべき」

そんな経営者的な想いとは別次元で、等身大の女性として独自の考え方も持っている。

英語もプログラム言語も、同じコミュニケーションツール

「英語よりもPHPの方が簡単、って言いましたけど、英語を今さら勉強するより、よっぽどPHPやJavaを使えるようになっちゃった方がお金にもなる(笑)。今って、ツールを使えばドラッグ&ドロップの感覚でアプリを作れちゃったりするんです。ほんとに難しくないし、楽しいし、結果としてお金にもなったら最高じゃないですか」

IT勉強会などに顔を出すと、必ず痛感するのが女性の少なさ。その反面、TEDx Tokyoのようなグローバルなイベントには、英語に興味がある女性が多いせいか、女性の参加率は高い。英語を上手に使い、実にいきいきと参加者と交流をしているのだ。

「女性って、コミュニケーションが上手と言われますよね。もしかしたら、そこが男性との違いではないでしょうか。だから、世界中で通用するコミュニケーションツールの英語は女性に人気が高いのだと思います。

「お客様に名刺を渡すときにも、『appmom』のPRになる」と、見せてくれたネイルアート。こうした細かいこだわりも、女性ならではのコミュニケーション力だろう

「お客様に名刺を渡すときにも、『appmom』のPRになる」と、見せてくれたネイルアート。逆になっているが、『appmom』キャラクターのモモンガが描かれている

でも、見方を変えれば、プログラミング言語もある意味コミュニケーションツールなんですよね。プログラムのことを多少分かっていれば、この世界ではどんどん人と交流していける。わたしは、『話し言葉=英語ばかりがコミュニケーションツールじゃないよね』と、世の女性たちに言いたいんです」

「英語を話す女性はカッコイイけどPHPの話をしている女性はちょっと変わってる」や、「IT業界の女性って『カワイイ!』のイメージがない」といったイメージは、勝手に決めつけられてしまった世界観でしかないという。

「着飾ったギャルとか(笑)、普通の主婦とか、そういう人たちがすごく面白いアプリを作っていったら、こんな世界観、簡単に変わっちゃいますよ。FXトレーダーのイメージがそうであったように。今ならそれが十分に可能だから、早いところ変わっていってほしいなあと願ってます」

女性に限らず、誰もがITの世界を『Happy!』に楽しめる下地はすでにあるという。最後にもう1度、起業についてどう考えているかを聞いてみた。

「ネットイヤーグループの石黒(不二代)さんとか、ディー・エヌ・エーの南場(智子)さんとか、スーパーエリートな先輩がいる。すごくカッコイイ。だけどNext Generation、つまりわたしたち世代からは、まだそういう人が登場してない。何かしなきゃな、と思っています。

だから、女性に限らず『次の世代の起業家』がどんどん出てこれる地盤を作るためにも、さまざまな世界の人と交流しているんです。目標にしているのは、もっともっとたくさんの人がHappyな気持ちで仕事して、ITを通してこの国の経済活動がいつの間にか元気になっちゃうこと。そんな現象作りの中で一役買っていきたいですね」

記事提供:エンジニアtype

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