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[特集:もしIT業界に女性が増えたら…1/3] 椿奈緒子「OLや大学生がアフター6にPHPを学ぶ!?」

ちょっと先行くパワフルウーマンたちが描く未来予想図。もしIT業界に女性エンジニアがもっと増えたら…

 

その数30万本とも言われているスマートフォン向けアプリを、適切な新しいオーナーに紹介・売却・再利用することで、顧客の利益を創出するM&A事業を展開するアクシオン

創設者は、弱冠23歳にして起業した大山有美さんだ。

「今、アプリの世界は盛り上がっています。でも、数が非常に多いせいで、ランキングで上に行かないと見てもらうことさえできない。どんなに良いアプリを開発する人がいても、埋もれてしまう可能性があるんです。そういう開発者の皆さんにチャンスを提供して、後押しすることができたらいいな、という思いでこの事業をスタートしたんです」

誰も考えつかないようなアイデアではない。だからきっと誰かがやるだろうと思っていた。けれども、誰も現れない。「それなら」ということでアクシオンを立ち上げた。

椿奈緒子さんも閑歳孝子さんも、わたしの憧れの存在です」と話す彼女もまた、IT業界のネクストジェネレーションとして存在感を増しつつある。

一技術者ではなく、経営者としての道を選んだ彼女にとって、事業を行う魅力とは一体何なのだろうか。また、彼女のような若い世代のIT経営者が増えることによって、IT業界の未来にどんな変化があるのだろうか。

自分の考えた事業に共感してくれる。これが何よりうれしい

おっとりした、独特の雰囲気で周りを引き込む大山さん。一方で、どんなことでも思い立ったら即行動してしまう、超アクティブな一面も持ち合わせている

おっとりした、独特の雰囲気で周りを引き込む大山さん。一方で、思い立ったら即行動してしまう思い切りの良さも持ち合わせている

「アプリM&Aという事業を通して、開発者の皆さんをバックアップするだけでなく、例えば『こういう機能を強化したら、もっと人気が出る』みたいなアドバイスもできて、結果としてアプリがさらに売れていくようになれば、それが理想だと思っています」

だから、技術のことは十分に理解している必要がある。市場の動きも敏感に察知しなければいけない。その上でコスト感覚も磨いて、トータルな視点で見て採算が合うかどうかを目利きする力が問われる。

彼女自身、今自分がやろうとしている事業の難しさと、自分に問われている能力の高さは理解しているつもりだ。

「だから緊張するんです(笑)。でも、自分の考えた事業に投資してくれたり、選んだアプリに関わってくれる方が実際にいる。わたしにとって、これは本当にうれしいことです。今後はM&Aで関わったアプリがヒットすることで、エンジニアとは違った喜びを味わうことができるはずだと考えています」

ただ作ることに専念したい人、作るのが好きな人はエンジニアを続けるべき。そうではなく、作ったモノやサービスを事業にして、この事業を成長させていきたいと思う人間が経営者をやるべきだと話す。自分はそういう人間なんだと確信しているし、同じ種類の人間はもっといるはずだと感じている。

深く考えすぎず、思い立ったら即行動するのが大切

「わたしが起業したきっかけは、みんなが楽しく平等に働ける会社を作りたいと思ったから。前の会社で社内SEをしていた時は、なかなか職場になじめなかったり自分の思うような働き方ができなかったりと、悶々とした日々を送っていました。その時に、知り合いの経営者の方に相談したら、『起業しちゃえば?』と言われ、そのまま起業しちゃいました」

起業の背景には、父親が経営者だった影響もあるだろう。それを省いても、この思いっきりの良さは大山さんの魅力である。

ディー・エヌ・エーのイベントに参加した時には、南場智子さんを前にして「わたし、南場さんみたいになりたいんです!」と思わず声を上げていた。

「名刺を交換していただいた時は、うれしくて手が震えました」

そんな一面ばかりではない。例えば、業界に女性が少ないことについては、現実的に考えてもいる。

「性別が女だから頑張れ、というのは何かちょっと違うように思います。でも、この世界に若い女性が少ないのは事実。少数派だということで注目されたり、応援してもらえるチャンスが巡ってくるなら、それはしっかり活用させてもらおうと思っています」

事業が本格始動したばかりの今は、経営の仕事に追われがち。技術面の勉強や、サービスのブラッシュアップなどに時間を費やすことが難しくなっている。自分の下した判断がアクシオンとしての最終決定となることへの重圧も感じている。起業家として悪戦苦闘の毎日だが、やりがいも大きい。

若い経営者が増えていく中で、女性も自然に増えてほしい

経営者として信頼されるように、常に前を向いていたい、と語る

経営者として信頼されるように、常に前を向いていたい、と語る

大変なことでも、目標に向かってまっすぐに進める大山さんのような女性IT経営者が増えたら、IT業界の未来はどう変わるか。この問いに対して、彼女はこう答える。

「正直、女性経営者が増えたからこうなる、ということはあんまり考えていません。ただ、男性も女性も関係なく、同じ若い人にもっともっと起業する人が増えてくれたらいいなぁ、と思っています。

だって、若いからこそトライ&エラーができるんだと思いますし。エンジニアにしても、経営者にしても、この世界で活躍する人が増えていって、自然な感じで女性の割合が増えていったら、わたしはそれがいちばんいいと思います」

「まだ成功したわけじゃないんですから、勘弁してください」と尻込みされながらも、最後に聞いた。「経営者にいちばん必要なことって何でしょう?」

「今、『ウイニング・イレブン』にハマってるので(笑)、サッカーで例えますね。たぶん、『シュートを打っただけで安心せずにボールの行方を見ていること』じゃないですかね。ちゃんとボールがゴールに入るかどうかを見つめる姿勢っていうんでしょうか。

もし入らなさそうなら、脚を伸ばしてボールをゴールに押し込むようなたくましさというんでしょうか。仕事をもらえた、アプリM&A案件がまとまった、というだけで安心していないで、きちんと成果につながるまで気を抜かない姿勢。わたしはそれを大事にしていきたいと思っています」

取材・文/森川直樹  撮影/赤松洋太

記事提供:エンジニアtype

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